更新日:2012/11/14
よくパート収入が103万円までなら所得税がかからず、配偶者の扶養の範囲内といわれます。
今回はパート収入と所得税の関係について考えてみようと思います。
1.パート収入の所得税
パートにより得る収入は、通常給与所得となります。給与所得の金額は、年収から給与所得控除額を差し引いた残額です。給与所得控除額は最低65万円ですから、パートの収入金額が103万円以下(65万円+所得税の基礎控除額38万円)で、ほかに所得がなければ所得税はかかりません。
2.配偶者控除
パートをする方の合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者である夫等は所得税の配偶者控除を受けることができます。つまり、103万円以下のパート収入から給与所得控除額の65万円を差し引くと所得金額は38万円以下となり、配偶者である夫等は配偶者控除を受けられるということになります。配偶者控除は38万円(扶養される方が70歳以上の場合は48万円)です。
3.配偶者特別控除
パート収入が103万円を超えた場合でも、141万円未満であれば、配偶者である夫等は配偶者特別控除を受けることができます。所得税の配偶者特別控除が受けられる要件は次の2つです。
(1)配偶者である夫等の合計所得金額が1千万円以下(給与収入だけの場合には、おおむね年収1,230万円以下)であること。
(2)パートをされる方の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。
(1)の要件を満たし、パート収入が103万円超141万円未満(76万円+給与所得控除額65万円)で、ほかに所得がなければ配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者特別控除の額は、パートをされる方の所得金額により異なり、パートをされる方の所得が増えるに従い38万円から段階的に少なくなっていきます。
さらに気を付けていただきたいのは、住民税と社会保険料(厚生年金と健康保険)です。住民税はおおむね年収100万円(市町村によって異なります)を超えると課税されます。社会保険料は、年収130万円を超えると配偶者の扶養から外れることになり、自分で加入する必要があります。(年収130万円を超えない場合でも、「1日の勤務時間と1ヶ月の勤務日数がともに、正社員のおおむね4分の3以上」の場合はパート先の健康保険と厚生年金に加入する必要があります。)
扶養の範囲内で働いていたつもりが外れてしまっていた、ということにならないように配偶者とよく相談しながら出勤することをお勧めします。